こんにちは! 女子 手づくり部です。
今回も、印刷にちょっとした一手間を加えてつくれる、かわいい紙ものをご紹介いたします!
第三回目のテーマは「ハンドメイド製本」です!
3種類のハンドメイド製本
ハンドメイドでできる製本には大きく分けて、「和綴じ」、「中綴じ」、「平綴じ」の3つがあります。
それぞれ特徴があり、少しずつ用途が異なりますが、どれもそれほど難しくない上、日常で使えるものにアレンジできるので、一緒におぼえていきましょう!
道具を用意しよう
① 表紙用紙 ② 本文用紙 ③ クリップ ④ ボンド ⑤ 刺繍糸・針
⑥ 目打ち(千枚通し) ⑦ ゴムハンマー ⑧ カッターマット
ほとんどが100円ショップで揃えられるものです。
どの製本をやる場合でも、材料はすべて共通なので、たくさん挑戦してみましょう!
便利なテンプレートを使おう!
ハンドメイド製本はやり方を覚えてしまえば非常に簡単なのですが、その前の準備が実は意外と面倒・・・。
なのでそんな問題を解消するために、テンプレートを用意いたしました!
このテンプレートを使えば、面倒な手間をかけずにA5サイズの和綴じ、中綴じ、平綴じの冊子をつくることができちゃいます。
こちらよりテンプレートをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたらA4サイズでプリントアウトします。
プリントアウトしたテンプレートは2つ折りにしましょう。
センターに三角があるのでここで折ってください。
テンプレートの便利な使い方
1.穴あけ位置を確認できます
特に和綴じを行う場合、糸を通す穴の間隔を計ったり、書き込んだりするのが意外と面倒なものです。
今回のテンプレートには穴あけ位置が記されているので、かんたんに穴を開けることができます
2.糸を通す練習ができます
初めてハンドメイド製本を行うときは、まず一枚の紙で糸の通し順を理解してからのほうがスムーズに綴じの工程に入ることができます。
綴じを行う前にこのテンプレートだけで練習して、糸の通し順を練習してみましょう。
3.糸の通し順を立体的に理解することが出来ます
綴じを行うときにこのテンプレートを見ながら作業することで、糸の通し順を立体的に把握することが出来ます。
「ここから出た糸がこうなって・・・」と文章や写真だけではわかりにくい通し順が、手にとって確認できちゃいます。
以上が具体的なテンプレートの使い方となります。
次はいよいよ製本の工程に入りますので、有効利用しちゃいましょう!
和綴じとは
和綴じとは紙を重ね、背を糸で綴じる製本の様式です。
綴じ方によって様々な模様ができ、その種類もたくさんあるので見るだけで楽しいのが特徴ですね。
「和綴じ」という名前の通り日本の伝統的な製本様式でもありますが、和風なものしか作ってはいけないわけではありません。
今回は和綴じの代表的な3つの綴じ方で、カラフルでポップなノートを作ってみたいと思います!
和綴じの本文用紙は2つ折り
和綴じは本文に大きな特徴があり、本文用紙が二つ折りの袋になっています。
今回はA5サイズのノートを作るので、A4サイズの用紙を用意し、表紙用紙は半分に切り、本文用紙は二つ折りにしていきます。
ノートをつくるのに、無地の紙を使うのもいいですが、今回はこのような方眼の用紙を使ってみます。
四つ目綴じに挑戦してみよう
この四つ目綴じは和綴じの基本となる形です。
和綴じに挑戦する場合には、まずこの綴じ方で感覚を掴んでおくのがおすすめです。
糸を通す穴を開けます
和綴じは針と糸で綴じていく様式ですが、厚いので布のように縫っていくことはできません。
まず糸を通す前に、紙に穴を開けます。
表紙用紙と本文用紙を重ね、綴じたい方(背になる方)を手前にします。
その上にプリントアウトしたテンプレートを重ね、クリップでしっかり留めておきます。
テンプレートの穴あけ位置に沿って目打ち(千枚通し)で穴を開け貫通させます。
太めの糸を使う場合は、大きめにしっかりと穴を開けましょう。
本文用紙の枚数が多く、手で穴を開けるが難しい場合は、下にカッターマットなどを敷き、ゴムハンマーなどで叩いて貫通させます。
ゴムハンマーを使う際は、騒音で周りの迷惑にならないように注意しましょう。
穴が貫通したら、表紙用紙と本文用紙がずれないように、クリップを1つずつ取ってテンプレートを外します。
ここまでできたら準備完了です!
続いて綴じの工程に入ります。
針は「背」からいれます
綴じる側のことを本の「背」といいます。
スタートは左から2番めの穴です。テンプレートではBの穴になります。
背を開き、本文用紙2ページ分くらいをめくり、Bの穴に糸を出します
糸の端は玉どめ、もしくはボンドなどで貼り付け、背の中に隠します。
こうすることで糸の始まりが見えなくなります。
糸を通してみよう
ここからはテンプレートに糸の通し順が記されていますので、そばに置き、参考にしながらやってみましょう。
こちらの記事では、ポイントを重点的に解説していきます。
まず工程①の「Bから背を通しFへ」という指示は、この部分を通すことになります。
輪を作るように背に糸を通して、もう一度同じ穴に入れます。
和綴じではこのように背を通す工程があるのでしっかり押さえておきましょう。
同じように工程⑥の「Dから右はしを通しHへ」という部分は自分から見て右はし、写真で言うとこの部分を通すことになります。
同じように右はしに糸をかけ、同じ穴に入れます。
こうすることで、角を綴じることが出来ました。
この2つを押さえられたら、あとは数字通りに進んでいけばOKです。
自分がどこにいるかわからなくなったら、テンプレートを見直してみましょう。
糸を通し終わったら
工程の⑬まで終わったら、画像の3点に糸をくぐらせ、結びます。
そして最後の穴にもう一度針を入れ、糸を切り、端をボンドなどで留めて完成です。
いかがでしょう、出来上がったでしょうか?
一見複雑そうですがやってみると案外簡単ではありませんか?
もしわからなくなって、途中で進めなくなってしまった場合は、もう一度テンプレートを見直してみましょう。
この調子で次の綴じ方を見ていきましょう!
高貴綴じに挑戦してみよう
高貴綴じはこのような形の綴じ方です。
四つ目綴じに比べて穴の数が2つ増え、角を二重に閉じているのが特徴です。
基本は四つ目綴じと同じ
少し難しそうな高貴綴じですが、実は工程⑥まではさきほどの四つ目綴じと同じです。
ここまで進めたら、次に「高貴綴じテンプレート」を参照し、Bの穴に進みます。
ここから角を二重に綴じる工程です
まず背を通してC → B、
次に右はしを通してC → B、
最後にCからDの穴に通せばOKです。
そこからはまた四つ目綴じと同じ手順で反対側の穴まで進んだら、同じく角を二重に綴じて完成です!
麻の葉綴じに挑戦してみよう
麻の葉綴じはこのようなきれいな模様が特徴的です。
高貴綴じから更に穴の数が3つ増えますが、それほど複雑ではありません。
麻の葉綴じは高貴綴じができてから
麻の葉綴じは、高貴閉じが出来上がった段階からスタートとなります。
なので、麻の葉綴じテンプレートに沿って穴を開けたら、まず高貴綴じを終わらせます。
この時点では新たに開けた穴は使いませんので注意です。
なお、高貴綴じの時よりも糸は長めにとっておきましょう。
そこから「麻の葉綴じテンプレート」の工程に沿って糸を通していきます。
テンプレートのとおりに進めていくと、このように半分ずつ模様ができていきます。
ウラ面も同じように半分ずつできていきます。
Dの穴まで進んでいくと折り返しです。
模様がかけていた部分に糸を通していくようなイメージです。
麻の葉綴じも完成です!
しっかり、ノートとしても使えます!
今回はテンプレートをつかってA5サイズのノートを作りました。
もちろん自分で穴の位置や間隔をアレンジしたり、他のサイズでもつくることができます。
いろいろな方法を試してみるといいかもしれません!
和綴じのアレンジ例
今回も手づくり部員たちに、それぞれ思い思いにアレンジをしてもらいました。
まずは和綴じ作品から見ていきましょう。
コメント:
今回は和綴じに挑戦しました。表紙の紙や使用した糸も、日本の伝統にちなんでセレクトしました。
サイズは105mm×40mmと小さめにし、メモ帳として常に持っていたいようなものをめざしました。
コメント:
和綴じは開きにくいイメージだったので、ハードカバーにすることで開きやすくしました。
和のかわいさを洋風にアレンジできたように思います!
穴開けの位置がズレていたり、穴が小さすぎて針が通らなかったりとハプニングの多い作品でした…
何度も針を通す穴は他の穴より少し大きめに開けるとスムーズにできます!
手蝶
コメント:
綴じ方と紙質にこだわって制作しました。表紙には凹凸のある紙、中表紙には箔をちりばめた和紙を使用しました。
糸を二本取りにすると、糸がねじれてしまわないよう気を付けて製本するのに時間がかかりましたが、頑丈で見栄えのする仕上がりになりました。
また、レタープレスをはんこのように使い文字を入れてみました。
帯のない裏表紙のほうが蝶の形が綺麗に見えることや、縫う幅が広いことで少し開きづらいことなど、作ってみて初めてわかる改良点もありますが、蝶のモチーフや紫色がうまく和を醸していて気に入っています。
こちらを参考にしました→https://beccamakingfaces.com/2012/07/01/japanese-stab-binding-tutorial-butterfly/
コメント:
今回挑戦したテーマが「和綴じ」ということで、
あえて和風らしくない雰囲気を目指して制作しました!
表紙は、以前挑戦した「蝋引き」の手法で作ってみました。
今度はス○ーバックスさんの紙袋を表紙に使用したりして
挑戦したいなーと思います。
こちらを参考にしました→https://beccamakingfaces.com/2011/06/13/japanese-stab-binding-tutorial-chevrons/
和綴じ以外にも挑戦してみよう!
手でできる製本の代表例が和綴じでしたが、その他にも様式があります。
今回はその中でも「中綴じ」と「平綴じ」に挑戦してみましょう!
中綴じとは
中綴じとは、一般的には背の部分を針金で留める製本様式のことです。
雑誌やパンフレットなどでよく見かけますね。自分でちょっとした冊子を作るのにも向いています。
ハンドメイドで中綴じを行う場合、普通はホチキスなどで留めるのですが、実は糸でもできちゃいます。
ホチキス留めよりは多少の手間がかかりますが、それほど複雑ではありませんので挑戦しやすいと思います。
今回はオシャレなカフェのメニューを例にとって作ってみましょう。
こちらも先ほどダウンロードしたテンプレートの「中綴じ用」を使えば、同じようにA5サイズで作ることができます。
紙を2つ折りにして、穴を開けます
上から、中綴じ用テンプレート、本文用紙、表紙用紙の順番に重ね、全部二つ折りにしてクリップで留めます。
テンプレートの穴の位置に沿って穴を開け、背の部分にしっかりと貫通していることを確認します。
穴が開いたらクリップを1つずつ取って、テンプレートだけを外します。
糸を通していきます
まず、Bの穴へ外側から針を入れ、Aの穴に入れます。
外側を通して、AからCの穴に入れます。
そしてCの穴から内側を通してBの穴に入れ、外側に糸を出します。
その時、他の糸を刺してしまわないように注意しましょう。
このように真ん中の穴から外側に2本の糸が出ている形になるので、
この2本を結び、糸を固定します。
ひとまず、綴じ自体はこれで完成です!
そして中綴じの場合、どうしてもページの端の部分が揃いませんので、カッターで切り落としてあげると、きれいに仕上がります。
雰囲気のあるオシャレなメニューができました!
自分で印刷して製本までできるので、個人で営まれているカフェなんかにいかがでしょう?
簡単なのに細部までこだわれるのでオススメです!
中綴じのアレンジ例
中綴じも同じようにアレンジしてみました。
背から飛び出た糸が特徴的なので、その部分のアレンジ手法にも注目です!
いつもよりちょっと
コメント:
糸による中綴じでドイツ装(表紙と裏表紙に板紙を貼り付ける様式)のノートを制作しました。
表紙は、背が見えるドイツ装の特徴を活かして朱色と白でコントラストをつけ、色が映えるようにしています。白の部分は板紙を光沢のある用紙でくるみました。光に当てるときらきらと表情が変わります。
本文はコシの柔らかいピンク味の白い用紙を使いました。暖かみがあり、ページをめくるのが楽しめるようにしています。
遊びで、中表紙として切り抜いたトレーシングペーパーを挟んだり、
綴じるのに使用した糸でノートを結んで留められるようにしたり、糸の先には昔ブレスレットにしていた石をつけてみたりしました。
見た目はシンプルですが、細工を加えることで普段より少しだけ贅沢なノートになりました。
平綴じとは
平綴じは、幾つかの紙の束を作って、2本の紐で綴じる方法です。
紐をほどけばページの増減が簡単にできるので、様々な用途に使えます。
今回はスクラップブックを作ってみましょう!
紙を半分に切り、束を作ります
まずA4サイズの紙を半分に切ります。
今回は表紙用の紙1枚と、本文用紙を4枚ずつ用意しました。
切った本文用紙は4枚ずつの束に分け、マスキングテープで背を留めておきます。
今回はこの束を2つ作りました。
それぞれマスキングテープの色を変え、見分けやすくしてあります。
表紙用紙に折りスジをつけます
表紙用紙の上にテンプレートを重ねて、プラスチックのヘラなどを使い2枚とも折りスジをつけます。
折りスジをつけたら、ちょっとしたアレンジとして、背の部分にマスキングテープを貼ってみます。
穴を開けます
上からテンプレート、表紙、本文、裏表紙の順で重ね、クリップでとめます。
クリップはなるべく、背から遠い部分につけておきましょう。
そしてテンプレートの穴あけ位置に沿って目打ちで穴を開けます。
本文用紙が多いと手で穴を開けるのが大変なので、ゴムハンマーを使いましょう。
あとはこの部分に紐を通し、リボン結びしてあげるだけで綴ることができました。
後は表紙をデコレーションして完成です!
他の製本と比べて非常にシンプルなつくりですね。
平綴じのアレンジ例
こちらも同じようにアレンジしました。
綴じ方がシンプルな分、デコレーションにセンスが光ります。
きれいとかわいいの真ん中
コメント:
今回の作品では平綴じに挑戦し、綴じるのに糸ではなくリボンを使用しました。
単純そうにみえる平綴じですが、意外と難しくて、リボンを通すためにあける穴があまり大きく広がらず、悪戦苦闘いたしました。今回は私の好きなものをたくさん使用した作品にしたかったので、ピンクを基調にアイテムを選びました。
「かわいい」がテーマで毎回作っていますが、今回はかわいいだけではない、少し綺麗な感じになるよう紙などを選択しました。
平綴じは本文の束を作れば、何ページでも追加できるので、色んなパターンが出来て面白いと思います。
3種類のハンドメイド製本を見てきましたがいかがだったでしょうか。
実際に作ってみて、よく聞こえた言葉は「覚えてしまえば、かんたん」でした。
ちょっとした時に使うノートを自分で作ってみたり、想い出を目いっぱい詰め込むためにオリジナルでアルバムを作ってみたり・・・。
なかなか取り掛かるハードルが高いかもしれませんが、一度コツを掴んでしまえばいろいろなものへのアレンジが可能なので、とてもオススメです。
一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
- 印刷とハンドメイドの技法を使ってかわいい紙ものを作るサークルです!月イチのペースでかわいい紙ものづくりの方法をご紹介していきます!
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「【女子 手づくり部 Vol.3】3種類のハンドメイド製本に挑戦してみたよ」に3件のコメントがあります
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